ころんですりむいた！時々

「ころんですりむいた」けがは、摂生室での火急処置の中で、一番数の多いものですよね。
すでにほけんだ一倍初等学校校低コース「殊の外、血が出た！！」や初等学校校中コース「からだをおおう左雨『皮ふ』」で、擦れの時の手当として「水洗い」を指導するので、高コース以上になると、摂生室に来る前に傷口を洗っている子どもたちが主にです。

でも、摂生室では頂点を期して、さらに水洗いをします。
「しみる～！！」とか「いたい！」という子どもを相手に「痛いのは生きてる証拠！」なんて、ごまかしながら、それでも汚れが残って化膿したり、他の疾患の原因にならないように、さらに念入りに汚れを落としてから手当てをします。

そこで「生きてる証拠！」と言わずに、次のような対応をしてみました。

S:先生、転んじゃったよ。ひざすりむいた！手当お願いします。
T:どれどれ。でも洗ってきたんだね。助かるなあ。じゃあ、こっち来て（水屋に移動）
T：汚れが残ってると、傷口が化膿したり、細菌が体制に回ったりすることもあるから、ちょっと痛いけれど、近く1回洗うね。（水洗いをする）
S:う～！！しみる！！痛いよ先生。
T:痛いよね。わかる。でもこれちゃんとやっとかな余程、もっと痛いことになると困るから、ちょっと頑張って。可能だけ早く終わらせるからね。
S：わかった。でも早くやって。
T：はい、終了。頑張ったね。（その後の手きちんと移る）
S:あ～痛かった。
T：（手当をしながら）痛かったよね。でもこの痛いのもすごく役に立っているんだよ。どんな役に立ってると思う？
S:え～っ、だって痛いのなんか感じない方がいいよ。けがしてすりむいても、甚もないなら極点だよ。
T：じゃあ、もし、今日転んだときに全く甚もなかったら、転んだ後すぐに立ち上がって、尚又走り出したりしていなかったかな？
S:あ、してたかも・・・。
T：転んで痛かったからけがに気がついたんじゃない？
S:斯うかもしれない。斯うか、甚もな余程けがに気がつかない可能性があるのか。
T：斯ういうことだよね。だから、人間の皮膚には、痛みを感じる個所が、すごくたくさん皮膚のすぐ下にあるんだよ。痛みだけでなく、触った感じや熱さ、低温等を感じる個所があるんだけど、一番たくさんあるのは痛みを感じる個所なんだよね。どうしてだと思う？
S：傷に気がつかな余程、大変なことになるからだよね。
T:その通り。傷の種類や大きいさによっては、命に関わるときがあるから、斯うならないように痛みを感じることで君を守ってくれているんです。
S:なるほどね、斯うなっているのか。
T：それから低温や熱さもすごくひど余程きは、痛い！と感じる。低温や熱さもすごくひど余程、命に関わることがあるから、斯ういった場合も痛みを感じるときがある。
S:すごいな。なんとなく何重にも守られている感じがするよ。
T：斯うだね。
S:でも、できれば甚もない方がいいなあ。転ばないようにすればいいのか。今度は気をつけて走ろう。
T：斯うだね。でも何も気にしないで全力で突っ走るのって、気持ちいいよね。
S：斯う言われると・・・。困ったなあ。どっちにしたらいいんだ！