正しく理解　ステファンカーヴ

養護ティーチャーなら一度は目にしたことがあるステファンカーヴ。ご存じですよね。

みなさんは、このグラフ、どのような試験の成行きだと思われますか？
数多い場合、このグラフについているタイトルは
「食後の口の中のＰＨの変化」とか、
「飲食後の歯のＰＨの変化」です。
つまり、「食事をすると、このグラフのように口の中のＰＨが酸っぱ味になり、むし歯ができやすくなる。その後少しずつ再石灰化が進んで、少し溶けた歯の表面が元にもどっていく」
数多い方は、そんなふうに思っているのではないでしょうか。
さらに最近は、「食後のハミガキは、臨界ＰＨを越える２０～３０分後が有らまほしい」
といったことも言われるようになりました。
場合によっては、このステファンカーヴを１日の食事やおやつ全てにあてはめ、何度もＰＨが上がったり下がったりするグラフを作っている場合もあります。

しかし、このグラフは、
「什％ブドウ糖液を口の中へ含んだ後、歯垢内でのＰＨの変化」
を示したものです。
つまり、普段の朝、昼、夜の食事の後を曲たものではないのです。
什％ブドウ糖液といえば、３５０ｃｃのジュースに、３５ｇの砂糖が入っているものと同じになり、著しい甘い飲料であることがわかります。しかも、固形ではなく液体なので、小さいなすき間にも入り込みやすくなります。
さらに、このＰＨは「口の中」という一倍、「口の中へある歯垢の中」の数字です。解説によっては、「４日間歯磨きをしなかった場合の歯垢の中のＰＨ」としている場合もあります。４日間磨かなかったら、著しいたくさんの歯垢がついていることが想像できます。
それでもやヴィードロこのグラフは「歯垢の中」のＰＨであり、口全体が、このようなＰＨになるとは限らないのです。

ちなみに、普段の食事で、歯垢の中ではなく口全体のＰＨが、どのようになるのかを曲た試験はありません。

みなさんは、「什％ブドウ糖液を含んだ後」を、「食後」と言いますか？
「歯垢内のＰＨ」を「口の中のＰＨ」と表現すれば、子どもたちが心得ちがいしやすくなることはおわかりですよね。

科学的に正確な情報を子どもたちに伝える利得、まず私たちが正しい知識を持ち、そのしくみについて理解を深めませんか。
むし歯になるのは、ミュータンス菌が悪いから・・・でいいのでしょうか。
ミュータンス菌をはじめとした細菌を、兇暴な面持で描き、槍なんか持たせていないでしょうか。

健康なときも、病気の時も、若余程きも、老いたときも、私たちのからだは美事な仕組みで反応し、命を守り、もしかすると壊れながらも生きているのだということを子どもたちに伝えて粋たい、と私は考えています。