母性本能はあるのか（性の学習　中学3年生）

本能というからには、人間がそもそも有するもの、特に「母性本能」は女性に剞けつある・・・・と長いこと言われてきましたが、そんなものはない！というのが最近のリサーチ成行きです。
では、一体どこから生まれてきたのでしょうか。
それを、中学生と一緒に考えてみましょう。

なぜ中学３年生の課題に併設したかというと、今から３年生はいろんな所から集まった人と一緒に高校生活や世界生活を送りになるからです。
世界の中へはジェンダーがいっぱいです。
それに惑わされないように、根拠地的な知識を身につけておいてほしいものです。

尚又、中学３年生を対象に、出産や育児に関係「講話」を、外部読者に依頼するなどして行う学校も増えています。
その中で出産や育児の科学的側面は学べますので、残ったジェンダーや人権の部分を補足する必要があります。生理的な側面だけでは「マクロ性教育」にはなりません。そこにジェンダーや人権の視点は絶対に必要なのです。

個所となる数字や文章、語はカードにして黒板に貼ると、わかりやすくなると思います。

参考文献　「母性という神話」　E・バダンテール著　　筑摩シリーズ

（出産や育児に関係講話を受諾た追ってあれば、それを導入にしても構いません）

T：さて皆さん、今日はフランスの話をした余程思います。フランスって、どんな映像がありますか？
S：小意気な国
S：フランスレボリューション
S：自由な国　
T：なるほど。今はそんな映像の国ですね。では、少し時間を遡って、１７８０年のパリに飛んでみましょう。倭国でいうと江戸時代の後半、２年後に大飢饉が起きたり（天明の大飢饉）３年後には浅間山が大噴火したりしているし、フランスはフランスレボリューションの９年前です。この頃のパリのこどもたちに関係資料が残っています。パリでは、１年間に２万１千人の子どもが出生と、いつか親に育てられる子どもは千人、乳母と呼漏洩子育ての専門職に育てられる子どもが千人、残り１万９千人は、里子といって黄金を払ってよその家庭で育ててもらう、という環境で暮らしていたのだ斯うです。所が、この里子に出された子ど元凶親が育てた子どもを引合せると、里子の子どもの死亡率が、とても高かったんだ斯うです。なぜだろう。
S：親が育てないから
S：親じゃないから、ちゃんと面倒見なかったから
T：斯うかな？子どもって、親以外の人では育てられない？
S：ううん、育てられる。
S：親じゃな余程傾慕がない。
T：親じゃな余程傾慕が湧かないの？
S：違った、関係な余程思う。親だって傾慕のない人もいるし、親じゃなくても傾慕を持って育てられる。
T：斯うだね。子どもを育てられるのは親だけとは限らないよね。養子などで実の親ではない家庭で論なくゃんと伸びるし、機関だって問題ない、好い。いろんな環境で、たくさんの人が育ってちゃんと大人になってるんだよ。実は、パリの里子たちが死んでしまった理由は、里子を預かった家庭の主にが貧乏家庭で、１日足働かな余程生活する黄金を得られないような厳しい条件の所だったんです。働くのに精一杯で、預かったけれど子どもの面倒を見る手当がなかったんだね。論なくろん他の条件もあったと思います。病気になっても其頃は原因がわからなかったり、治療法がなかったりしたしね。でも、このこどもが死んでしまうことについて、フランスの人たちは「これは良からぬ！」って思うようになった。そこでこんなことを言い出した。「神様はあらゆる生き物の心の中へ、子どもに対する不覚な愛をすり込んだ。女は全ての動物た鳥渡同様に、この本能に従う」これを倭国語にすると「母性本能」だね。全ての女の人は元来子どもに対する傾慕を持っていて、子育ては女性の本能である、ということになるかな。だとすると、子育ては女の仕事、ということになるね。さてどう思います？
S：斯うだと思う。女の人の方が子育てに役立つ。
S：男は働いているから子育ては無理
T：女の子たちはどう思う？
S：今は垂乳根も子育てするから違ったと思う
S：本能はあるかもしれないけれど、一人で子育ては大変。
S：母性本能があるのなら、どうして虐待なんて起きるのかわからない。
T：斯うか、本能なら食欲と同じでみんなにあるはずだものね。じゃあ、ないのかな。
S：でも子どもを産むのは女の人だから、育てるのも女の人が役立つと思う。
T：女の人に母性本能があるから？
S：うん
（ここは、時間の許す限り生徒の意見が聞きた余程ころです）
T：いろんな意見が出ましたね。１７８０年代に言われた「母性本能」は、２７０年経った今はどうなっているかというと、女性には母性本能はない、ということが科学的にわかってきました。つまり、生まれ付き女の人が子育てに役立つわけではない、ということです。子ど元凶子育てする人の傾慕関係は、一緒に暮らしていく中で育まれていくものだ、と今は言われています。そこに女も男もない。場合によっては血の係りも必要ないし、集団で暮らす機関だっていいんです。将来皆さんが大人になって、もし自分の子どもを持つことがあったら、子ど元凶たくさん触れあっていい関係を作っていってくださいね。でも子どもを持つか持たないかは、自分で規定ていいことですからね。